Shopifyを使っているネットショップが最初の売上までにどのようなことをしたのか気になっている方はいませんか?
本日からはじまる「My First Sale」シリーズでは、様々なストアの生の声を皆さんにお届けします!第一弾では牛肉からワニ肉など様々な種類の冷凍肉を販売するホールミートのはなさんにお話を聞きました。立ち上げから売上までのお話をぜひご覧ください。
Shopifyをご覧の皆さま、初めまして!
株式会社ホールミートのデザインコミュニケーションマネージャー、はなです。
デザインコミュニケーションマネージャーってどんな役職?と良く聞かれるのですが、デザインもするし様々な言語でコミュニケーション取るし、ついでに商品の値決めや写真にも上から目線で偉そうにしつこく意見する人です(もっと真面目なコミュニケーションデザインマネージャーがほとんどですけど)。要するに何でも屋なんですが、自分の仕事が商品の売り上げに直結する(と、信じたい)ので、割とプレッシャーのある役職だったりします。
今回は、私がいかにして冷凍肉の販売サイト「ホールミート」でセールス獲得まで至ったのか、そもそもなぜこの事業を始めたかをお話ししたいと思います!
真面目な話は3割くらいなので、肩の力を抜いてお付き合い下さいませ。
まずは、スタッフをご紹介。ホールミートはゼネラルマネージャーのクリス(ドイツ人)、料理を作ってくれるミナコ(日本人)、そして私(日独ハーフ)の3人が在籍しています。
普段のオフィスでは皆ほのぼのとしています。私は主に、日本語とドイツ語の二か国語で2人と勝手にお喋りしだす役。ミナコとは芸能人のゴシップをニヤニヤと話し、クリスとは急に真面目ぶって政治経済を熱く語ります。とにかくお喋りが大好きな私、オフィスを盛り上げています。
※元々クリスの日本語サポート役として入社したので、仕入れ先やお客様とは真面目な感じでちゃんとメールのやり取りをしています。本当です。本当に。
毎日が騒がしいホールミートですが、会社が立ち上がった際はほぼクリス一人で回していました。親会社が「これからはネット販売に力を入れる!」と、EC経験のあるクリスを雇い、ネットで冷凍肉を販売する担当に据えました。まずは日本の会社が提供するECサイトを試してみたものの、細かい設定などが出来ないこともあり、EC経験のあるクリスには物足りなかった様子。
特にホールミートでは日本人のお客様だけでなく、外国人のお客様にも対応出来るサイトを作りたかったために別のECサイトを検索。そこで見つけたのがShopify!実は海外ではかなり有名で、クリスもすでに存在を知っていましたが、使ったことがありませんでした。
Shopifyにはお試し期間も設けられているため、クリスはすぐにその期間中にレイアウトを色々試したりアプリを導入したり、とにかく理想のサイトが出来上がるかどうかを検証。デザインもかなり自由にできるし、2言語での表示も簡単に出来るし、これで決まり!そしてShopifyでサイト作りを始め、この時点で私もホールミートに合流することになりました。
当時、普通にOLをしていた私は転職するかどうか悩んでいた時期。
「こんな、人のためにヘコヘコする仕事のために大学で勉強したんじゃない!」…今思えばちょっと青くさい悩みなのですが、大学での勉強以外にデザインも学んでいた私は、そのスキルも活かせる仕事に就けないかと考えていたのです。膨らむ過剰な意識。ここでくすぶっている場合ではない。むしろ私1人で何でも出来んじゃね?
そしてちょうどその時期、私はドイツ人コミュニティの飲み会でクリスと同席(クリスは、どのショップにするか悩んでいた時期)。初対面だけどゲームの話で盛り上がっていたら、クリスが「今、新しい事業始めたんだよね。デザインが出来て日本語も出来るドイツ人がいてくれたら理想だな」と。
と、そんな人材私しか居ないんじゃない!? 的な発言を。これはチャンス。「まじー?今仕事辞めたいんだよねー、その話ノった!」と軽く10杯は飲んでいたであろうビールの勢いそのままに転職を決めました。この性格、いずれ騙されて連帯保証人になって借金まみれになって破産する気がして怖い。
こんな軽い感じの私でもショップをオープンさせることが出来るようになります。
勤めていた会社を退職した翌月から、「お肉?サーロインって高級らしいよね」って程度の知識で冷凍肉を販売する会社に入社。サイト作りも中高生の頃に中二病全開の黒歴史サイトを作った経験しかありませんでした。ネット販売なんてまったくやったこともありません。そんな私がホールミートの力になれるのか…そんな心配は杞憂に終わりました。
Shopifyはテーマだけ決めれば、簡単にサイトが構築出来ることが分かったのです。テーマっていうのは、サイトの基本的なスタイル、レイアウト、デザインみたいなこと。その中でどんなフォントにするか、色はどうするか、など簡単に指定するだけでプログラミング知識は不要です。
販売する商品によっては写真を大きく表示できるテーマがいいとか、なるべく文字情報をなくしたテーマがいいとか、ニーズに合わせて無料のテーマを選択したり、もっとこだわりたい場合は有料で購入可能なテーマを選択したりすることも可能。
すぐに販売開始出来るようなサイトが出来上がっちゃうって寸法です。正直私のデザインスキルはほぼ不要でした。誰でもできます。
サイトの見通しが立ったあとは、ショップを始めるにあたって「日本人が商品を購入する際に何を気にしているのだろう?どうやったらセールスに繋がり、かつ満足して頂けるだろう?」と、クリスと二人で考え始めました。お客様には安心して商品を見て頂き、購入し、そして受け取って欲しい。
ない知恵を絞った結果、以下を実施することに!
- スタッフを顔写真付きで紹介(お米とかの「私が作りました!」的な表示)
- 商品に同封するお肉の扱い方などを記したフライヤーを作成(冷凍肉ってあまりメジャーではないので説明しないと分かりませんよね)
- Amazon Payや後払い(BNPL)など、安心してご購入頂けるようなお支払方法を数多く導入(クレジットカード入力に不安がある方向け)
- 伝票番号などで商品を追跡し、受け取り時間帯を変更して頂ける業者と提携
お客様のお支払方法は、まずはコンビニ決済会社やAmazonと契約をすればShopifyで導入することが可能。各配送業者もあらかじめShopifyに登録されているため、伝票番号さえ入力すれば発送通知メールに追跡リンクが自動的に組み込まれます。つまり決済会社や配送業者と契約を結ぶだけで、様々な決済方法や配送方法をShopifyに追加できちゃうのです。
また、Shopifyではニーズに合わせて「お気に入りボタン」や「レビュー機能」などをアプリという形で導入できるのも特徴で、それらのアプリはこれまた小さなスタートアップ会社などが作っていたりします。
サイト自体は日本在住の外国人向けということで英語で作ったので、Shopifyで購入出来る様々なアプリのうち、翻訳アプリを購入。これで英語の文章を日本語に訳したり(もちろん逆も可能)、パソコンの設定言語に合わせて表示させる言語を変えることが出来るように。
とにかく上から「一か月以内にショップオープンしてね」と言われていたので、入社したその日からチマチマとサイト作りから仕入れから決済会社との契約から写真まで全部こなしましたが、便利なアプリのお陰でなんとかなりました。初めは経費削減を目指して無課金の限界に挑戦していたので、もっと材料が揃っていれば更なる効率化も出来たと思います。
サイトが完成した後は自画自賛! パンチを効かせつつも楽しく書いた日本語の商品説明。美しく、かつ美味しそうに撮れた商品写真。様々なお客様に対応出来る充実した支払い方法。これで勝つる。さあ、ショップオープンだ!!
元々Facebookなどで宣伝していたので、ショップオープンと共にお客様が殺到。Facebookだと「日本在住 外国人 40歳」みたいに登録している情報を元に、条件に合うユーザーにだけ広告が表示されるように設定することが出来るので、ホールミートに興味を持って貰えそうな方々に「近々オープンするよー」と告知していたわけです。
ちなみにGoogle広告も活用しました。例えば「日本 肉 通販」などとGoogle検索した時に、検索結果が上の方に出てくるようにできるのです。ただし、競争率の高いキーワードは値段も高くなるので注意。より細かいワード、例えばうちだと「サーロイン」「ブロック肉」など、「肉」より詳細なワードを登録することによって値段を多少抑えることもできます。
オープン後は、Shopifyで今何人がアクセスし、何人がカートに商品を追加し、何人が支払いへ進んでいるかをリアルタイムで確認。とりあえずクリスと私はハラハラしながら画面を注視。
(ドイツが一瞬にして負けた)サッカーワールドカップよりも手に汗握るライブ中継。
「注文、き、きた!」「えっ!支払いまで行った!?」「しはら…あっー!やめた!支払い中止された!」「なんだってー!」
ドキドキ。このライブ中継はなんで支払いを中止したのかを考えるキッカケにもなります。商品が高いのか?説明不足だったか?支払い方法をもっと充実させるべき?お客様のニーズに応えるヒントが見つけられるかもしれないので、家のパソコンやスマホでもライブを見てしまいます。ネットショップだからこそ、ホームオフィスでもシェアオフィスでもカフェでも仕事ができちゃいますからね。
そしてそのときは突然やってきます。売れた! セールスだ! やっぱり初めてのセールスは嬉しいですね!いまだにお客様のお名前覚えています。ワクワク。記念すべき最初に売れた商品。誰が梱包するか喧嘩し、発送完了(発送伝票はプリンターで印刷できますよ)。そして初めてのレビュー。レビューもアプリで追加した機能です。
外国人のお客様が「美味しかった」とレビューしてくれるようになり、我々の自信に繋がってきます。やっぱウチのお肉美味しいんだ!これならもっと色んな商品いれようよ!そんな風に少しずつショップを拡大していきました。
と、こんな感じてホールミートは始まりました。やはりほかのモールと違い、イチから作り上げて広告を出したからこそ、Shopifyを通じてのセールスが一番嬉しいですね。自分の赤ちゃんを育てているみたいな。よちよち、おっきくなるんでちゅよー?って眼差しでサイトを見ています。
ここで少し他のモールのお話も。
皆様ネットでお買い物をするとき、専門性の高いもの以外は基本業界最大手3社の中でまずは商品を探しているかと思います。
私たちももちろん、大手三社のモールでも商品を売っています。そんな大手の特徴をちょこっとご紹介。
① モールAはデザインが面倒で、ある程度知識がないとショップ立ち上げがそもそも難しかったりします。デザインを外注しているショップが多いようで、うちみたいに自力でデザインするとやはり最高のクオリティーにはなりません。ただし、デザインが面倒ということだけあって、コーポレートデザイン(その会社のロゴや色やデザイン傾向)を活かせるため、「このデザインやロゴってあの会社を連想させる」とショップとしての特色を伝えることはできます。
② モールBはデザインが特にないため使いやすいのですが、単品でのお買い上げがほとんどのため客単価が低い。また、ロゴなどコーポレートデザインが無いに等しいので、お買い上げ後に「これどのショップで買ったんだっけ?」と会社名を忘れられてしまう危険性があります。
③ モールCは、維持費がかからないのが最大の特徴。モールAとモールBは売り上げがなくても維持費がかかるのですが(Shopifyより高い上に売り上げごとに数%手数料を取られる)、モールCは売り上げの数パーセントを取られるだけなので、始めやすい。デザインも知識があればいじれるし、なければシンプルなまま運営が出来るけれど、モールCはAとBほど知名度が高いわけではないので、売り上げは多少劣ります。
特徴はあくまでも私の個人的な見解ですが、いずれのモールにしても、自社サイト(URL)があった方がモール経由でお買い物をするお客様も安心してお買い上げ頂けるのではないかな、と思います。
また、販売商品によって売れるモールが変わってくるため、自社サイトを持ちながら色んなモールを試してみて最適なものを研究するのもいいかも。うちは食料品なので無理ですけれど、最近ではモールに加えてオークションサイトなどで商品を売っているショップも結構あるみたいですね。
けれど自社サイトであるShopifyでしかできないことがあります。お客様専用のクーポンを作成したり、無料でニュースレターを配信したりすることです。
ニュースレターはもちろん他のモールでも配信できますが、人数制限がされていたり内容が制限されていたり頻度が制限されていたり…。自社サイトであれば外部のニュースレターアプリを使って毎週何百人、何千人にニュースレターを送ることが出来ます。この辺のセールスも結構大きいのです。
ついつい長くなってしまったこの記事も、そろそろまとめに入ります。「実店舗はコストも高いし、人件費もバカにならない。ネットに特化したサイトを作りたい!ある程度サイトも自由に製作したい!安く済ませたい!」ワガママな方には、Shopifyはピッタリではないでしょうか。
FAXだとか電話だとか、今のネットショップに必要のない要素もありません。時間を効率的に使えて、手間もかなり省けます。Shopifyから営業電話も今まで一度もかかってきたことないです。他の某モールからはかなり頻繁に来ますけれどね。意味のない電話もきます。
かといってShopifyは無関心ではないですよ!カナダのスタッフさんたちは日本の祝日関係なしに瞬時にサポートしてくれますし、日本のスタッフさんたちも温かい方たちばかり!かなりフレンドリーで、営業でーす!みたいな感じも全くしないので、ショップを運営する上でとにかく気が楽なのです。
興味のある方は、契約最低期間もないし、始めてみて合わなかったらやめる、合ったら継続する、くらいの軽い気持ちで始めてみてはどうでしょう?ホールミートを運営してみた経験上、自信を持ってオススメ出来ます。
ではでは、お付き合い頂きありがとうございました!一緒にネット販売を盛り上げていきましょう!ホールミートのはなでしたー!
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