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Ankerのキーパーソンが明かす、Shopify Plusで自社ECサイト売上+200%以上を達成した戦略

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アンカー・ジャパンは、世界No.1モバイル充電ブランド(※)、オーディオブランド「Soundcore」、スマートホームブランド「Eufy」、プロジェクターブランド「Nebula」、掃除機ブランド「MACH(マッハ)」等を米国・日本・欧州を中心とした世界100ヶ国以上で展開するハードウェアメーカーであるAnkerグループの日本法人です。

Ankerグループは2011年の創業以来、Amazon.com (以下Amazon) などのECモールを中心としてビジネスを拡大してきました。2013年の日本法人設立後は日本でのシェアを伸ばし続け、2018年にカート機能つきの自社サイトを立ち上げ、その後2020年にShopify Plusを採用した自社ECサイトを構築してからは、以前のプラットフォーム時と比べて自社ECサイトの売上は+200%以上も伸ばしています。

今回はアンカー・ジャパン 執行役員 / 事業戦略本部 本部長の芝原航氏に、Shopify Plusを導入した経緯や成長の背景について詳しく話を聞きました。

アンカー・ジャパン株式会社 執行役員 / 事業戦略本部 本部長の芝原航氏

アンカー・ジャパン株式会社 執行役員 / 事業戦略本部 本部長の芝原航氏

※ユーロモニターインターナショナル 2022年の小売販売額ベース、2023年10月に実施された調査に基づく。モバイル充電ブランドは、小売売上の75%以上を携帯電話充電器製品が占めるブランドと定義する。携帯電話充電器製品には充電器、ワイヤレス充電器、モバイルバッテリー、充電ケーブルが含まれ、これらの製品は、他の家電機器にも使用可能なものとする。

高価格帯製品も拡充し、自社ECサイトを強化

芝原氏は、Shopify Plusの導入を「ECビジネスの強化と、ブランドの独自性を高めるための戦略的決断だった」と話します。

「モバイルバッテリーのような低価格帯のカテゴリーは手軽に購入しやすいですが、最近ではロボット掃除機やスマートプロジェクター、ポータブル電源などの高価格帯製品も拡充しています。このような製品は、その価値をしっかり伝えられなければ、手に取ってもらえません。そのため、詳細な製品情報の掲載から購買のきっかけづくり、お客様とのコミュニケーションがとれる場としての役割が、自社ECサイトに求められるようになりました」(芝原氏)。

Amazonや楽天などのECモールでは、ページのデザインや特定のルールにより、ブランドの独自性を表現するのが難しい面もあります。加えて、特に高価格帯製品に関しては、お客様がECモールでの購入前に企業の自社ECサイトで公式な製品情報をチェックする傾向が強まっています。

「お客様が最終的に購入する場がECモールや量販店であったとしても、幅広い選択肢を提示することが大事です。自社ECサイトでは、ECモールや量販店では表現しきれない価値を伝え、『Ankerグループの製品を買いたい』と思ってもらうことを目指しています。これは、我々の企業ミッションである『Empowering Smarter Lives(ハードウェアで人々の生活を豊かにする)』に基づいています」

Ankerグループのロボット掃除機ブランド「eufy」。高価格帯製品にも製品ラインアップを拡充している。

Ankerグループのロボット掃除機ブランド「eufy」。高価格帯製品にも製品ラインアップを拡充している。

少ない人員で迅速に動くためにShopify Plusを選択

アンカー・ジャパンがShopify Plusを選んだ背景には、複数の課題が存在していました。特に突出していた課題は「スピード」です。同社が当時使用していたプラットフォームでは、新しいアイデアやサービスを迅速に実現することが難しく、各チームからの様々な要望に応えるためのリソースが不足していました。

そのため新しいプラットフォームには、自分たちのニーズに合わせた柔軟なサイト構築ができ、低コストで効率的な運用が求められました。この要件を検討する中で、Shopify Plusが選択肢として上がり、導入が決断されました。「Shopify Plusではアプリを追加するだけで機能を拡充でき、開発もスピーディーに行える環境が整っていました」と、芝原氏は当時を振り返ります。

Shopify Plusを導入して得られた具体的なメリットには、いくつかのポイントが挙げられます。まず、新たな開発が必要なく、コンテンツを自由にマネジメントできる点です。さらに、Shopify Plus自体が様々なベストプラクティスから学び、そのシステムがアップデートされるというメリットもあります。

芝原氏は、「以前使用していたプラットフォームでは、たとえばサイト内のテキストを少し変えるだけで反映に1時間以上かかることがありましたが、Shopify Plusではリアルタイムに反映され、細かなカスタマイズが可能になりました」と、その導入によってビジネスの成長とスピード感を実感していると言います。

Shopify Plus導入後、自社ECサイト売上が+200%以上に増加

Anker Japan 公式サイト

Shopify Plusの導入後、アンカー・ジャパンは自社ECサイトでの売上を以前のプラットフォーム時と比べて+200%以上に伸ばすことに成功しました。この成果を生み出した同社の施策と、それに用いられたShopify Plusの機能とアプリを紹介します

1.カテゴリーごとにLPを制作

Shopify Plusを利用すると、プログラミングやコーディングの知識がなくても簡単に素早くランディングページ(LP)を作成できます。この手軽さを活かし、近年力を入れている高価格帯のロボット掃除機やスマートプロジェクター、ポータブル電源のカテゴリーでもLPを制作。広告や検索結果から訪れる関心層を引き入れることに成功しました。

2.Amazonのセール価格と連動

アンカー・ジャパンでは「どこで買うかはお客様が選ぶべき」という考え方に基づき、Shopifyのアプリを活用し、Amazonのタイムセール中の製品の価格と自社ECサイトの価格を連動させています。これにより自社ECサイトを訪れている裏側で「実はAmazonのほうが安く買える」事態を防ぎ、顧客体験の向上に寄与しています。

3.スタンプラリーキャンペーンの実施

直営店舗「Anker Store」で、スタンプラリーキャンペーンを実施しました。公式アプリ内の会員バーコードを店頭で提示することでチェックインができ、そこで集めたスタンプの数に応じた特典がもらえる仕組みです。このキャンペーンでは「Shopify Flow」を活用して、公式アプリ経由でのお客様のチェックインをトリガーに自動でポイントを付与する仕組みを構築しました。

4.データ作業の効率化に「Matrixify」を活用

Matrixify」は、製品や顧客情報、注文情報などShopify上のあらゆるデータのインポートやエクスポートを効率的に行うためのShopifyアプリです。インポート、エクスポートを行うスケジュールを設定・管理することも可能です。アンカー・ジャパンではこれを活用し、必要な情報を把握するためのダッシュボードを作成し、データ作業を効率化させています。

芝原氏はこうした取り組みに対して、「Shopify Plusという基盤により、自社のミッションである『Empowering Smarter Lives(ハードウェアの力で人々の生活を豊かにする)』を実現できる環境が整い、新しいアプローチが可能になった」と評価しています。

Anker Storeスタンプラリー

Anker Storeスタンプラリー

OMOへの取り組みで、顧客体験を向上

アンカー・ジャパンはShopify Plusの導入を通じて、オンラインとオフラインの顧客体験を統合し、さらなる成果を上げています。前述のスタンプラリーキャンペーンもOMO(Online Merges with Offline)の1つです。

芝原氏は「オンラインとオフラインをシームレスに統合し、それぞれの接点のクオリティを向上させつつ、一貫した顧客体験を提供していきたい。Shopify Plusの機能を駆使して顧客体験を向上させていきます」と語ります。

具体的には、Shopifyアプリを利用し、Shopify Plusと店舗のPOSレジを連携し、会員情報とそれに紐づく購買履歴を一元化しました。直営店舗の「Anker Store」でアプリを提示して購入された際の購買情報がShopify Plus上にデータとして蓄積され、次の施策が容易に展開できる状況が生まれました。自社ECサイト、公式アプリ、「Anker Store」共通でのポイント施策やメッセージ配信なども可能となり、より良い顧客体験につながっています。

「スタンプラリーキャンペーンやポイント施策を実施してきましたが、まだまだ改善できる余地が大きいと考えています。今後はより深いコミュニケーションができる方法を模索・実践していくことで『1度買ってもらって終わり』ではなく、それぞれのお客様の生活にずっと寄り添い続けられるブランドとなることを目指しています」と芝原氏。

Shopify Plusを活用した新しい施策によって、自社ECサイトを劇的に成長させたアンカー・ジャパン。その取り組みを振り返り、芝原氏はShopify Plusについてこう付け加えます。

「今回、私たちはShopify Plusを利用してさまざまなチャレンジに取り組みました。リソースや条件が限られている場合、自分たちのやりたいことを表現するのは容易ではありません。そのような新しいチャレンジを限られたリソースの中で実現しようとしたとき、Shopify Plusはベストな選択肢だと考えています」(芝原氏)。

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